はじめに
ここでは、キッチンでのやけど予防について、電気ケトルを中心に話していきます。
ママ、うちのケトルの場所、ちょっと危ないかもしれないよ
えっ!子どもが届かないくらいの高さに置いてるつもりだけど・・・
子どもが手をのばすと意外と届くから、いっしょにチェックしよう!
小さな子どものやけどは、熱湯・熱い蒸気によるものが多いです。
皮膚が薄く、体が小さいため、やけどの傷が深く広範囲になりやすいのです。
やけどをすると、動作や美容面で後遺症に悩むケースも多くみられます。
キッチンのやけど予防について、今回はケトルを中心に一緒にみていきましょう!
やけども予防できるんだよ!
この記事がおススメの方・・・
- ケトルのやけど対策を知りたい
- ケトルを置く安全な場所を知りたい
- 安全なケトルの選び方を知りたい
- ケトル以外に、やけどのリスクがある家電を知りたい
やけどの原因
小さな子どものやけどは、熱湯・熱い蒸気によるものが多いです。
熱湯
ケトル、ウォーターサーバーや電気ポット、熱いスープや飲み物がやけどのリスクがあります。
ケトルは、お湯が短時間で沸騰し、本体も高温になるものがあり、転倒すると熱湯がこぼれやすい構造が多いです。
ウォーターサーバーや電気ポットは、チャイルドロック付きの製品が多いです。しかし、こどもがロックを解除したり、大人の使用後 再ロックがかかるまでの短時間にこどもが触り、やけどしたケースがあります。
熱いスープや飲み物は、調理中・調理後のものをこぼして、やけどしたケースがあります。
熱い蒸気
ケトルや炊飯器の蒸気はとても熱く、蒸気の噴出部付近で99℃、その5センチ上でも90℃前後となります。
蒸気ってそんなに熱いんだ!
ケトルによるやけどの具体例
次に、実際の事故事例をご紹介します。例の如く、Injury Alertからの引用です。
Injury Alertとは
主に小児科医師による、こどもの事故を科学的に検証したレポート集です。
不慮の事故でのケガ、亡くなってしまったケースについてまとめられています。
お子さんの保護者に許可を取った上で作成されています。
日本小児科学会のサイトに集められており、誰でも閲覧できます。
【ケース1】 0歳10ヶ月
その日、ママは朝食とお弁当の準備をしていました。朝は時間との勝負で焦りもあります。
普段はキッチンの高いところに電気ケトルをおいていましたが、その日は食事の準備でスペースがなく、たまたま居間の床にケトルを置いていました。
突然、大きな泣き叫ぶ声!
ママが居間にかけこむと、電気ケトルが倒れ、熱湯の中にあかちゃんがいました。
すぐに冷やして受診先を探しましたが見つからず、救急車を呼びました。
※参考:injury alert No.028(https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0028.pdf)より改変
普段は、子どもの手が届かないところにケトルを置いていたのに、朝の忙しい時間帯に、ほん の少し、目を離した隙の出来事でした。
先生:「たまたま、床の上に置いて」とか「普段は気を付けていたのに」というケースは結構あるんだよね・・・
やけどを予防するポイント
- ケトルの 安全な設置場所
- 安全な設計のケトルを選ぶ
それぞれ詳しくみていきましょう。
ケトルの 安全な設置場所
安全な場所って、高いところかな?
背の高さだけじゃなくて、腕の長さも考えた方がいいね
年齢によってどのくらいまで手が届くか、データがあるよ
年齢 | 手が届く範囲=台の高さ+奥行き |
1歳児 | 約90㎝ |
2歳児 | 約110㎝ |
3歳児 | 約120㎝ |
子どもの手が届く範囲は、台の高さと奥行きをたした長さで、1歳児は約90cm、2歳児は約110cm、3歳児は約120cmです。これを目安に、高く奥行きがある場所に置く必要があります。
また、コードに足をひっかけてケトルを倒すケースもあるので、高い位置にあるコンセントにつなぐことも必要です。
うちは1歳6か月の子がいるから、110㎝でも届くかもしれない
メジャーで測ってみよう!
いつもの場所だと、1歳6か月の子は手がとどくかもしれないね。
もう一つの場所(合計130㎝)に変えるよ!
コードもさわれないからいい場所だね!
安全な設計のケトルを選ぶ
これからケトルを買い替えるならば、安全機能がついているものを候補にしましょう。
ケトルは、
- 転倒湯漏れ防止機能
- 熱くなりにくいプラスチック製
- 蒸気レス
のものがおススメです。
「湯漏れ防止」ロックがあっても、絶対に漏れないわけではないから、置き場所の工夫は必要だよ!
やけどしたときの応急処置
やけどしてしまったら・・・
すぐに、服の上から水道水で10分以上冷やしましょう。
やけどの広がりを防いだり、痛みを和らげることができます。
市販の冷却シートは手当てに使えないよ
■全身の広い範囲・顔面などのやけどの場合: すぐに救急車を呼ぶ
■やけどの範囲が片足、片腕以上の広範囲の場合:救急車を呼ぶか、救急病院を受診する
■やけどの範囲が手のひら以上の場合や水膨れ:つぶさないようにして病院を受診する
参考になるサイト:教えて!ドクター「やけど受診めやす」https://oshiete-dr.net/pdf/20210125meyasu_yakedo.pdf
イラストでわかりやすいので、とってもおススメです!
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